ふとした会話から

つい先日、職場の同僚とした会話について少し書きます。

 

バンクーバーのダウンタウンから少しそれたところにヘイスティングストリートというホームレスや薬物中毒者が多いエリアがあります。

 

 

 

ここの通りはたまに通るんですけど、少し不気味です。

女性の方は、昼間でも通れないという人が多いくらいです。 

 

そのヘイスティングを拠点とするホームレスの方たちは、

バンクーバーの寒い冬を越すことができるのか、

職場の同僚との会話でふと疑問に思いました。

その同僚曰く、気温が一定の基準より下回ったらシェルターがオープンされるらしいです。そのシェルターは複数のボランティア基金団体によって運営されていて、食事や寝床等も提供されるみたいです。

 

バンクーバーの冬は寒く、毎日のように雨が降るのでシェルターの存在はすごく大きいはずです。

このシェルター以外にも支援団体から寄付もあり、実はホームレスの方々は食べ物にあまり困ってないと警察が言っていたみたいでそれくらい支援が多いということで改めて人間味溢れる街だなと感じました。

 

そしてボランティア基金に参加している同僚が配給などのボランティアに参加した際、あるホームレスの方のエピソードを聞いたそうです。

 

その方は、まさに仕事を退職した日、家のキッチンで料理しているときに

その方の息子が緊急を要する交通事故にあったとの連絡を受け、パニックになってしまい、火を消し忘れ家が全焼してしまったらしく

その後、家も子供も失い、精神的に働ける状態ではなくなり薬に手を出してしまいホームレスになってしまったとの過去の話を聞きました。

 

この方は今までごく普通な一般家庭だったのにたった一日で全てを失ったことになります。この話を聞いて、自分もたった一日でホームレスになりうるんだと痛感しました。

 

そういった背景を知ると、遠く離れた話ではないと感じますね。

いつか自分の身に降りかかってくるかもしれない

だからこそ助け合いが大事なんだなと思います。

 

そんな話を聞いていると、最近起きたある出来事を連想しました。

 

先日の大きな被害が出た台風19号が起きた際、

台東区が運営する避難所がホームレスを拒否した

というショッキングな話題がTwitteで拡散されました

 

そのホームレスの方は、区に住所録がない(税金を納めていない)ことを理由に

拒否されたみたいです。

あまりにも冷淡すぎる対応ですね。

 

 

そもそも税金とは、そういった社会的弱者の救済につかわれるものではないのだろうか

日本とカナダがあまりにも対照的で驚きでした

 

 

 

次にボランティアと言えば、来年開催される東京オリンピックのボランティアが頭に浮かんできました。

 

このボランティアが相当ブラックらしい

 

そんな話をよくTwitter上で見かけました

がなぜブラックと呼ばれるのか

その理由や内容までは知りませんでした

 

なので気になって「ブラックボランティア」と「電通巨大利権」という書籍2冊を読んでみました。

 

ここでは、簡単に東京オリンピックのボランティアのブラック具合だけ箇条書きにします。

 

 ・無給(通訳や医療班等の専門的な技術を必要とする職種も無給)

・交通費は上限千円、宿泊費は実費(開催中の宿代は相当高いはず)

・炎天下の中で一日8時間以上、計10日間勤務(7月、8月は日本で最も熱中症が多い)

・ポカリスエットを飲んではいけない(スポンサーがコカ・コーラだから)

 

そもそも日本人は、ボランティア=無休で働く事だと勘違いしていますが

ボランティアとは、フランス語で志願や志願兵という意味です。

災害ボランティアは

被災地の方々を助けたい、被災地の状況を知りたい

そんな理由で参加される人ほとんどだと思います。

 

東京オリンピックのボランティアはどうか。

ただ雇う側が無給で働かせたいが為にボランティアと呼んでるにすぎません

やりがいを求めて参加する人々を利用して、無給で働かすことができる!

とでもおもっているんでしょう

普通、災害ボランティアなどのボランティアに参加する際、個人で参加するか非営利団体の募集に応募します。そこで給料が発生しないのは理解できます。

ですが今回の担当は、電通(広告代理店)やパソナ(人材派遣会社)でゴリゴリの営利団体(日本を代表するブラック企業)です。

東京オリンピックを担当する電通は、国内スポンサー収入だけで約4000億の収入が見込まれてます。そのうちのたった100億円でやく11万人のボランティアの給料は払えるはずです。

しかも無給なのにポカリスエットを飲んではいけないというコカ・コーラへの忖度にも加担しなくてはいけない。

 

そしてなぜもっとも熱中症で死人が出るこの時期に開催されるのか

誰もが10月にしたらよくないと思いますよね

オリンピック委員会やJOCの本部がアメリカにあり、そのアメリカでは7月にちょうどスポーツがオフシーズンに入って視聴率を稼げるコンテンツがない為7月に開催したい思惑があるのです。

日本の誘致委員会はそれを知ってて、オリンピックのプレゼンで

7月開催でも、アスリートが最高のパフォーマンスをできる環境であると豪語してしまったものだから、日本はどうしても開催時期の変更はできないそうです。

 

今更になって、

マラソンと競歩の競技場所を北海道に移そう

マラソンのスタート時間を朝3時にしよう

とか言ってめっちゃ焦ってます

 

 

 

少しでも暑さを軽減するために、スタジアム内で人工雪を降らす

みたいな実験もやってましたが、気温の変化は当然ありません。発想がバカすぎるし、実際にやるところがおもしろいですね

屋外のスタジアムで気温調整をするなんてできるわけがありません

 

こういった熱中症多い時期に開催することやボランティアの問題になかなかメディアは触れません

これは、日本の大手新聞5社が今回の東京オリンピックのスポンサーだからです。

これは大きな問題で、スポンサーである大手新聞5社が東京オリンピックや電通の不利益を被るような記事が書けないからです。いわゆる忖度です。

今までのオリンピックのスポンサーは一業種一社という決まりがありましたが

電通がJOCに押し通し、一業種何社でもOKになったのです。

TV局を牛耳る電通が、新聞社さえも支配してしまっては誰も東京オリンピックのマイナスになるニュースは報道できません。

 

 

日本のメディアを牛耳る電通についてはまた後日書きたいと思います。

 

 

 

ボランティアとは、、

前述の通り、志願という意味で無給で働くという意味ではないです。

この東京オリンピックのボランティアに関しても、

参加する方はやりがいや今後の就活で活躍すると思い、

自ら志願しているわけですから、自主性がありすごく良い事でそれを否定するつもりはありません。

 

私自身、このブラックボランティアの募集が始まった時、

応募しようかな~なんて思ってました。

こんな機会2度とない!と

 

ですがこの「やりがい搾取」のやり方にはドン引きです。

 

日本にはこういった政府や国民による非人道的なお金の稼ぎ方が蔓延していることを再認識しました。

 

デフレが20年以上続いていることが日本人をもおかしくしてしまっているのか

弱者に強く、強者には忖度という日本の体質が露呈しているだけなのか

 

他先進国のように

本当の意味でのボランティア精神、社会貢献活動が広まれば、

弱者にやさしく、マイノリティに寛容な国になるんじゃないか

 

まずは学校教育でボランティアに参加するプログラムをもっと導入して

人格が形成される10代の内にそういった経験ができる機会をつくるべきではないかと私は感じました。